誰もが知る大手ハウスメーカーである積水ハウスについて、これからマイホームを建てようとネットで情報を探していると、ふと「現代ビジネス」が報じた衝撃的な記事タイトルを目にすることがありますよね。特に、積水ハウスに関する過去の問題やトラブルについて詳しく知っておきたい慎重派の方や、現代ビジネスの不動産記事で語られるような業界の生々しい裏側に関心がある方にとって、これらの情報は非常に気になるところではないでしょうか。私自身も宅建士として不動産業界に長く身を置きながら、自分の自宅をハウスメーカーで建てた経験があるため、積水ハウスの世間的な評判と、報道内容に見る企業実態のギャップには以前から強く注目してきました。この記事では、当時大きな話題となった地面師事件の驚くべき真相や、報道によって浮き彫りになった社内の実態を整理しつつ、一人の施主目線で見た時の現在の信頼性について、私の知識と見解を交えて分かりやすく解説していきます。
- 現代ビジネスがスクープした地面師事件と巨額詐欺被害の全貌がわかる
- 経営陣のクーデター騒動や内部告発で明らかになった企業体質を理解できる
- 報道内容と実際の施主からの評判や顧客満足度のギャップについて知れる
- 過去の教訓を経て積水ハウスが現在どのような家づくりをしているか把握できる
現代ビジネスが報じる積水ハウスの事件
ここでは、現代ビジネスが詳細に報じ、世間に大きな衝撃を与えた積水ハウスに関する一連の事件について、その複雑な経緯と内容を徹底的に深掘りしていきます。単なる巨額の詐欺被害というだけでなく、そこから派生した経営陣の内紛に至るまで、メディアが切り込んだ核心部分を一緒に見ていきましょう。
積水ハウスの問題となった地面師事件
2017年、日本の不動産業界全体を震撼させる大事件が発生しました。それが、業界最大手の積水ハウスが被害に遭った「地面師事件」です。この事件は、東京都品川区五反田の一等地にある「海喜館(うみきかん)」という旅館の跡地取引を巡り、同社が約55億5000万円もの巨額の代金をだまし取られたという、まさに前代未聞の詐欺事件でした。

当時、現代ビジネスはこの事件について、他メディアに先駆けて詳細な内幕を報じ、そのスクープ記事は大きな話題を呼びました。報道によれば、犯行グループである「地面師」たちは、土地の所有者になりすまし、精巧に偽造された権利証や実印を用意し、さらには本物の司法書士までも巧みに利用して積水ハウス側を信用させたと言われています。私たち一般人からすると「まさかプロがそんな簡単に騙されるの?」と不思議に思うかもしれませんが、地面師の手口は非常に巧妙で、劇場型犯罪とも呼ばれるほど役割分担が徹底されていたのです。
この事件で最も衝撃的だった点は、不動産取引のプロ中のプロであり、法務部や厳しいチェック体制を持っているはずの大手企業・積水ハウスが、なぜこれほど大胆な手口にコロッと引っかかってしまったのかという点ですね。報道や後の調査で明らかになったのは、現場の担当者が土地取得を焦るあまり、いくつかの不自然な兆候を見落としてしまっていた可能性や、社内の縦割り構造によってリスク情報が正しく共有されなかったという組織的な問題でした。例えば、本物の所有者から「私は売るつもりはない」という内容証明郵便が届いていたにもかかわらず、それを「取引を妨害するための嫌がらせだ」と誤認して無視してしまったというエピソードは、組織の硬直化を示す象徴的な話として語られています。

当初、会社側は被害に気づいた後もしばらく公表を控えていたと言われていますが、現代ビジネスなどのメディアによるスクープの動きを受けて、重い腰を上げて公表に踏み切ったという経緯があります。記事では、担当者が責任を感じて精神的に追い詰められてしまったという噂まで紹介されるなど、事件が社内外に与えたショックの大きさが生々しく伝えられました。私自身、宅建士として重要事項説明などを行う立場ですが、55億円という金額の大きさもさることながら、本人確認という不動産取引の「基本のキ」が突破されたことに恐怖を感じたのを覚えています。
この事件のポイント
単なる金銭被害にとどまらず、日本を代表するハウスメーカーのリスク管理体制や、取引におけるチェック機能の甘さが露呈したことが、企業ブランドにとって最大の痛手となりました。また、この事件は後の経営陣対立の火種ともなり、企業のガバナンス問題を世に問うきっかけとなったのです。
経営陣の内紛とクーデターの真相
巨額詐欺事件の余波は、単なる損失処理や犯人逮捕だけでは終わりませんでした。事件から約半年後の2018年、積水ハウスの社内では、当時の経営トップ同士が激しく対立する、いわゆる「クーデター」とも呼ばれるお家騒動が勃発したのです。これは現代ビジネスだけでなく、日経新聞などの経済メディアも連日大きく報じ、企業ガバナンスのあり方を問う大きなニュースとなりました。
ことの発端は、長年トップとして君臨していた当時の和田勇会長が「地面師事件の責任を明確にすべきだ」として、当時の阿部俊則社長の解任を取締役会で提案したことでした。和田会長としては、巨額損失の責任を取らせて経営体制を刷新しようとしたわけですが、事態は予想外の方向へ進みます。なんと、この解任提案は取締役会で否決されてしまったのです。それどころか、逆に阿部社長側が「和田会長こそが混乱を招いている」として会長の解任を緊急動議にかけ、あろうことかそれが可決されてしまうという、ドラマでも見ないような異例の大逆転劇が起こりました。

会社側は表向きには「新しい経営体制への世代交代」と発表しましたが、その実態は権力闘争による事実上の「会長追放劇」であったと、現代ビジネスをはじめとする多くのメディアが指摘しています。報道によれば、社内では派閥争いのような対立構造があり、事件の責任追及が政治的な道具に使われたのではないかという見方もありました。当時の取締役会の議事録や内部のやり取りがメディアにリークされるなど、情報管理の面でも異常事態だったと言えるでしょう。
この一連の騒動は、日本を代表する大企業であっても、ガバナンス(企業統治)がいかに脆いものであるかを世間に知らしめる結果となりました。株価も一時的に下落し、「積水ハウスは大丈夫なのか?」という不安が投資家だけでなく、住宅購入を検討している一般の顧客にも広がりました。家という一生に一度の買い物をする相手が、社内政治で揉めているというのは、施主としてはあまり気持ちの良いものではありませんよね。この内紛劇は、企業の透明性やコンプライアンス意識がいかに重要か、そしてそれが損なわれた時にどれほどブランドイメージが悪化するかを示す、典型的な事例として現在でも語り継がれています。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2017年6月 | 地面師グループと土地売買契約を締結 |
| 2017年8月 | 詐欺被害が発覚、約55.5億円の損失確定 |
| 2018年1月 | 和田会長(当時)が阿部社長(当時)の解任を提案 |
| 2018年1月 | 取締役会で社長解任案が否決、逆に会長解任動議が可決 |
| 2018年4月 | 株主総会で新体制が承認されるも、不満の声が上がる |
内部告発で発覚した社内体制の不備
現代ビジネスの記事が特に読者の関心を引いたのは、単に起きた事実を伝えるだけでなく、匿名の現役幹部や関係者からの証言を通じて、社内に蓄積していた「膿(うみ)」を暴露した点にあります。これはいわゆる内部告発に近い形での報道であり、外部からは見えにくい大企業の組織的な病巣を浮き彫りにしました。
報道によれば、事件当時の社内には、たとえ不正や不自然な取引の兆候に気づいたとしても、上司や有力者の意向に逆らって声を上げることが非常に難しい風土があったとされています。いわゆる「忖度(そんたく)」の文化ですね。地面師事件においても、現場レベルでは「おかしい」と感じていた社員がいたにもかかわらず、上層部の「早く契約をまとめろ」というプレッシャーの前に、その懸念がかき消されてしまったという指摘があります。これは組織論でよく言われることですが、どれだけ立派なチェックマニュアルがあっても、それを運用する人間関係や企業風土が健全でなければ、機能しないという好例かもしれません。

さらに驚くべきことに、現代ビジネスの記事では、約55億円もの損失が発生した後も、一部の経営陣がその事実を公にせず、内部で穏便に処理しようとした動きすらあったと報じられています。もしメディアによる徹底的な追及がなければ、事件の全容や責任の所在は曖昧なまま処理され、闇に葬られていた可能性すら指摘されているのです。こうした隠蔽体質とも取れる動きは、企業としての自浄作用が働いていない証拠とも言え、コンプライアンスを重視する現代社会においては致命的な欠陥になりかねません。
その後、積水ハウスは第三者委員会による調査報告書を公表し、社外に向けて再発防止策を提示しましたが、その報告書の中でさえも「経営陣のリスク感度の鈍さ」や「縦割り組織の弊害」が厳しく指摘されています。私たち消費者がこの件から学ぶべきは、企業が掲げる「お客様第一」というスローガンと、実際の現場で起きていることには乖離がある場合がある、ということです。特に大きな組織になればなるほど、顧客の利益よりも社内の論理が優先されてしまう瞬間があるのかもしれません。
企業風土の問題点
巨大企業ゆえの縦割り組織の弊害や、上層部への過度な忖度が働く環境が、被害を拡大させ、その後の対応を遅らせる原因になったと考えられます。風通しの悪い組織は、リスク情報の共有を阻害する最大の要因です。
現代ビジネスの不動産記事と業界の闇
ここで少し視点を広げて、今回の一連のスクープを報じた「現代ビジネス」というメディアそのものについても触れておきたいと思います。積水ハウスの事件について調べていると、必ずと言っていいほどこのメディアの記事に行き着きますが、現代ビジネスは単に積水ハウスだけをターゲットにしているわけではありません。実は、不動産業界全般にはびこる構造的な課題や、一般メディアではなかなか報じられないタブー、いわゆる「業界の闇」とされる部分に鋭く切り込むことを得意とするメディアなのです。
なぜ、これほどまでに不動産関連の記事が多く、そして読まれるのでしょうか。それは、不動産業界が典型的な「情報の非対称性」を持つ世界だからです。売り手(業者)はプロとしてすべての情報を握っているのに対し、買い手(消費者)は一生に一度の買い物であるにもかかわらず、知識も経験も圧倒的に不足しています。現代ビジネスの取材班は、この圧倒的な情報格差の隙間で起きている不正や搾取の構造を、センセーショナルかつ詳細に暴き出します。

例えば、過去には以下のようなテーマで業界を揺るがす特集が組まれています。
- 地面師詐欺の手口: 積水ハウス事件だけでなく、彼らがどのように身分を偽装し、法務局や司法書士の目をかいくぐるのか、そのアンダーグラウンドな手口を詳細にレポート。
- シェアハウス投資の崩壊(かぼちゃの馬車事件): サラリーマン大家を食い物にしたサブリース問題や、その裏で行われていた銀行融資資料の改ざん実態を追及。
- アパート施工不良問題(レオパレス21など): 壁の薄さや界壁の不備など、入居者の命に関わる施工不備を内部告発を基にスクープ。
- タワーマンションの資産価値リスク: 修繕積立金の不足や大規模修繕の難しさなど、販売時には語られない将来の負債リスクへの警鐘。
これらの記事は、単なるスキャンダル報道として消費されるだけでなく、「なぜそのような不正が構造的に起きるのか」「私たち消費者はどうすれば身を守れるのか」という視点を提供してくれる点で非常に価値があります。私自身、宅建士として、また2棟のアパートを経営するオーナーとして日々の情報収集を行っていますが、現代ビジネスの記事は、綺麗事ばかり並ぶ不動産会社のパンフレットや公式サイトからは絶対に見えてこない「リアルなリスク」を疑似体験できる、貴重な教材だと感じることがあります。「営業マンの甘い言葉の裏には、こういうノルマや事情があるのかもしれない」と想像力を働かせるための材料になるのです。
特に積水ハウスの事件に関しては、スポンサーへの配慮などで大手新聞やテレビ局が当初報じにくかった部分(社内の権力闘争や具体的な責任の所在など)に対し、週刊誌系メディアならではの「タブーなき取材姿勢」で切り込んだ点は評価されるべきでしょう。企業にとって都合の悪い情報が表に出ることは、一時的にはブランドを傷つけますが、長期的にはその企業が膿(うみ)を出し切り、健全化するための外部圧力として機能するからです。
ただし、私たち読み手が一つだけ注意しなければならないのは、こうした週刊誌系Webメディアの記事は、PV(ページビュー)を稼ぐために、タイトルや見出しが過剰にセンセーショナルになりがちだという点です。「業界崩壊」「絶望」「○○の末路」といった、不安を煽る強い言葉が頻繁に使われます。記事の中には、極端な事例をあたかも業界全体の常識であるかのように一般化して書いているものもゼロではありません。
メディアリテラシーの重要性
記事を読む際は、感情を煽るタイトルに流されず、「書かれていることは事実(ファクト)なのか、記者の推測や意見(オピニオン)なのか」を冷静に見極めるリテラシーが必要です。積水ハウスの件に関しても、批判的な論調一辺倒になるのではなく、企業側が出している公式の調査報告書(一次情報)や、日経新聞などの経済紙の報道とも照らし合わせながら、多角的に情報を捉える姿勢が、賢い施主への第一歩かなと思います。
巨額詐欺事件後の展開と現在の業績
さて、一連の騒動を経て、積水ハウスはその後どうなったのでしょうか。事件に関与した地面師グループの主犯格らは、フィリピンへ逃亡した後に拘束されるなどして次々と逮捕・起訴され、2020年代初頭までに多くのメンバーが実刑判決を受けました。しかし、盗まれた55億円のほとんどは回収不能となっており、資金の正確な行方など、事件の全容解明には至っていない謎の部分も未だに残されています。
一方で、積水ハウスの経営面に関しては、驚くべき回復力を見せています。当時、約55億円という特別損失を計上したにもかかわらず、本業である住宅販売や賃貸住宅事業は非常に好調を維持しました。事件直後こそ株価の動揺は見られましたが、その後は右肩上がりで推移し、売上高は過去最高水準を更新し続けるなど、業績的には事件のダメージを完全に乗り越えたと言えるでしょう。これについては、東洋経済などの他メディアでも「63億円もの損失(関連費用含む)すら痛手としない盤石な財務基盤は驚異的だ」と評されました。

なぜ、これほどの不祥事がありながら業績が落ちなかったのでしょうか。それは、積水ハウスが持つ圧倒的な「商品力」と「販売網」の強さに他なりません。住宅購入を検討している多くの顧客にとって、経営陣の内紛や地面師事件は「遠い世界の話」であり、目の前にある高品質なモデルハウスや、営業担当者の提案力の方が重要だったということでしょう。また、アメリカやオーストラリアなど海外事業の成長も業績を牽引しています。
とはいえ、現代ビジネスでは、こうした高業績に対して「喉元過ぎれば熱さを忘れるのではないか」「好業績に隠れて、本質的な体質改善がおろそかになっているのではないか」といった厳しい視線を投げかけ続けています。企業としては、業績の数字が良いからといって慢心せず、失われた信頼をどう取り戻し、ガバナンスを強化していくかが問われ続けているのです。私たち消費者も、「業績が良い=全て問題ない」と安易に判断するのではなく、企業が社会に対して誠実に向き合っているかを注視していく必要があります。
現代ビジネスに見る積水ハウスの評価
ここでは、メディアによる厳しい報道がある一方で、実際の住宅市場や現場の施主から積水ハウスがどのように評価されているのか、その実態について解説します。ブランドイメージと現実のギャップ、そして今後の展望について見ていきましょう。
積水ハウスの評判と顧客満足度の実態
メディアでの騒動やネット上での批判的な記事とは裏腹に、実際に積水ハウスで家を建てた施主からの評判は、総じて高い水準を維持しています。これには、長年培ってきた「邸宅」としての高級感あるブランド力や、完成した建物の品質の高さが大きく影響していると考えられます。実際に私の周りのオーナーさんたちに話を聞いても、「やっぱり積水ハウスにして良かった」という満足度の高い声が多く聞かれます。
様々な顧客満足度調査などを見ても、積水ハウスは常に上位にランクインする常連です。具体的な評価ポイントとしては、「価格は他のメーカーより高いが、それに見合うだけの安心感と性能がある」「設計の自由度が高く、希望通りの間取りが実現できた」「営業担当者だけでなく、設計士やインテリアコーディネーターの提案レベルが高い」といった声が目立ちます。私自身もハウスメーカー選びの際に積水ハウスの展示場を訪れましたが、他社とは一線を画す高級感や、空間使いの巧みさには正直驚かされました。
また、積水ハウスの信頼性を裏付ける客観的なデータとして、その実績の多さが挙げられます。公式サイトによると、積水ハウスの累積建築戸数は260万戸を超え(2024年時点)、これは世界一の実績としてギネス記録にも認定されています(出典:積水ハウス株式会社 公式サイト『累積建築戸数世界一』)。これだけ多くの人が選び、住み続けているという事実は、一朝一夕の不祥事で揺らぐものではなく、やはり家づくりにおける信頼の証と言えるでしょう。

実際の口コミや評判については、以下の記事でも詳しく検証していますので、良い面だけでなく悪い面も含めて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
積水ハウスの口コミは本当?良い点・悪い点と後悔しないチェックポイント
過去の積水ハウスのトラブルと対応
もちろん、年間で数万棟もの住宅を供給している巨大企業ですから、全ての現場でトラブルがゼロというわけではありません。「積水ハウス トラブル」で検索すると、過去の施工ミスや、入居後の不具合対応を巡って施主とトラブルになった事例が散見されます。また、有名なところでは国立市のマンション建設における景観訴訟問題など、近隣住民との軋轢がニュースになり、建設中の建物を取り壊すという異例の事態に発展したケースもありました。
ネット上の口コミでは、「契約までは親切だったが、着工後は連絡が遅くなった」「補修をお願いしてもなかなか来てくれない」といった、いわゆる「釣った魚に餌をやらない」的な対応に対する不満も見受けられます。これは積水ハウスに限った話ではありませんが、大手ハウスメーカー特有の「担当者の抱える案件数が多く、対応が事務的になりがち」という弊害が出ているケースかもしれません。

しかし、重要なのはトラブルが起きた後の組織としての対応力です。積水ハウスは「アフターサポート」の手厚さにも定評があり、独自のカスタマーセンター「カスタマーズセンター」を全国に配置しています。何か問題が発生した際には、個人の担当者だけでなく組織として対応する体制が整っている点は、中小の工務店にはない大きな強みです。「時間はかかったけれど、最終的には納得いくまで直してくれた」という声も多く、企業全体としては顧客の信頼を損なわないよう努めている印象を受けます。トラブルを未然に防ぐためには、私たち施主側も打ち合わせ記録をしっかり残すなどの自衛策が必要です。
具体的なトラブル事例や、もしもの時の対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ブランド戦略と企業体質のギャップ
現代ビジネスの一連の記事を通じて私たちが突きつけられたのは、積水ハウスが長年かけて築き上げてきた「輝かしいブランドイメージ」と、事件対応や派閥争いの中で垣間見えた「内向きで政治的な企業体質」との間に横たわる、あまりにも大きなギャップでした。この乖離(かいり)こそが、一連の報道を見て多くの人が感じた「違和感」の正体ではないでしょうか。
積水ハウスと言えば、誰もが一度は耳にしたことがある「家に帰れば、積水ハウス。」というキャッチコピーと、あの温かみのあるCMソングが有名ですよね。テレビCMで描かれるのは、家族の笑顔、豊かな暮らし、そして何よりも「絶対的な安心感」です。私たち消費者は、そうしたイメージを通じて積水ハウスに対し、「誠実で、顧客に寄り添う、温かい会社」という印象を無意識のうちに抱いています。私自身も、住宅展示場で営業マンの自信に満ちた説明を聞いたとき、「ここなら一生を任せられる」と感じたものです。
しかし、現代ビジネスが報じた内幕は、そうした牧歌的なイメージとは対極にあるものでした。55億円もの被害を出したにもかかわらず保身に走る経営陣、責任の押し付け合い、そしてクーデターとも呼ばれた冷徹な権力闘争。そこに見えたのは、顧客の顔ではなく、社内の顔色をうかがうサラリーマン的な組織の姿でした。「表では『お客様第一』を謳いながら、裏では『社内政治第一』になっていないか?」という疑念は、一度生まれるとなかなか払拭できるものではありません。
また、積水ハウスは近年、単なる住宅メーカーの枠を超え、「ESG経営(環境・社会・ガバナンス)」のリーディングカンパニーとしての地位を確立しようと必死です。例えば、男性社員の育児休業取得率100%を掲げたり、「世界一幸せな会社をつくる」というビジョンを発表したり、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献を前面に打ち出しています。これら自体は非常に素晴らしい取り組みであり、実際に社会的な評価も高く、投資家からも人気があります。
ですが、うがった見方をすれば、こうした対外的な「良い話」をアピールすればするほど、メディアや一部の消費者からは「不祥事のマイナスイメージを、綺麗な話題で上書きしようとしているのではないか」と冷ややかに見られてしまう側面もあります。現代ビジネスの記事でも、「SDGsや環境貢献を語る前に、まずは足元のガバナンス(企業統治)という、企業の根幹を正すべきではないか」という厳しい指摘がなされています。どれだけ環境に優しい家を作っても、どれだけ社員が育休を取れても、肝心の経営判断において透明性が欠けていれば、企業としての信頼(ブランド)は砂上の楼閣になりかねません。

私たち施主にとって、家の性能やデザインはもちろん重要ですが、それと同じくらい「この会社にお金を払って良かった」と思える誇りも大切です。数千万円という人生最大の買い物をするわけですから、「商品は一流だけど、会社の中身はドロドロしている」なんて思いたくないのが本音です。真のブランド力とは、莫大な広告費をかけて作るイメージ映像の中にあるのではなく、不都合な真実が起きた時にどう向き合い、どう責任を取るかという「企業の姿勢」そのものに宿るのだと、私は強く感じます。
ブランド価値の維持と私たちの視点
賢い消費者は、表面的な商品の魅力やイメージCMだけでなく、その裏にある「企業の姿勢」も敏感に見ています。過去の教訓を忘れず、透明性の高い経営を続けることこそが、積水ハウスにとって真の意味でのブランド価値向上につながるはずです。私たち検討者も、CMのイメージだけで判断せず、その企業がトラブル時にどう動くのか、本質的な体質を見極める目が求められています。
住まいづくりへの信頼性と技術力
企業統治や経営陣の問題はさておき、純粋に「家をつくる技術」や「プロダクトの質」に関しては、積水ハウスは間違いなく業界トップクラスの実力を持っています。これは競合他社も認めるところでしょう。鉄骨住宅の「イズ・ロイエ」シリーズや、木造住宅の「シャーウッド」など、構造の強さとデザイン性を両立させた商品は非常に魅力的です。

特に注目すべきは、独自の外壁材「ダインコンクリート」や陶版外壁「ベルバーン」です。これらは耐久性が非常に高く、年月が経っても古さを感じさせない重厚感があります。また、耐震性に関しても、独自の制震システム「シーカス」を標準搭載するなど、地震大国日本において安心して住める家を提供し続けています。さらに、「グリーンファースト」戦略に代表されるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及にもいち早く取り組み、環境性能の高い住宅を当たり前のものにしました。
「良い家を建てたい」「お客様に喜んでもらいたい」という現場の技術者、設計士、現場監督たちの情熱は、経営陣の騒動とは関係なく、脈々と受け継がれています。報道を見て不安になったとしても、実際にモデルハウスでその技術力に触れれば、「やっぱりモノが違うな」と納得させられるだけの説得力が積水ハウスの住宅にはあります。
積水ハウスの技術力や他社との違い、社風については、以下の記事で就職活動目線も含めて詳しく掘り下げています。
積水ハウスは何がすごい?強み・社風・他社比較を就活目線でわかりやすく解説
積水ハウスと現代ビジネスの報道まとめ

ここまで、現代ビジネスが報じた一連の事件や企業体質の問題と、実際の施主から見た積水ハウスの評判について詳しく解説してきました。最後に、これらの情報を踏まえて、私たちがこの巨大企業とどう向き合うべきか、その結論をまとめたいと思います。
現代ビジネスによる一連の報道は、積水ハウスという、日本を代表する優良企業の死角を浮き彫りにし、社会的な監視の目を強める大きなきっかけとなりました。地面師事件での巨額被害や、その後の経営陣による醜い権力闘争は、確かに企業としてのガバナンス(統治能力)の甘さを露呈したものであり、批判されて然るべき点です。「一流企業だから中身も完璧だろう」という私たちの盲目的な信頼に対し、警鐘を鳴らしたという意味で、これらの報道には大きな価値があったと言えます。
しかし、一方で冷静に見なければならないのは、「経営陣の不祥事」と「提供される住宅の品質」は、必ずしもイコールではないという事実です。メディアが報じるのはあくまで企業の「経営」や「スキャンダル」の部分であり、現場で汗を流す設計士、現場監督、そして大工さんたちの技術や情熱までが否定されたわけではありません。実際、多くの施主が積水ハウスの家に満足して暮らしているという現実は、同社の技術力やサポート体制が依然として業界トップクラスであることを証明しています。
私自身、不動産業界に身を置く人間として思うのは、積水ハウスは「一度大きな痛みを経験したからこそ、今はよりコンプライアンスや信頼回復に敏感になっているはずだ」ということです。雨降って地固まる、ではありませんが、過去の失敗を教訓に、より透明性の高い企業へと生まれ変わろうとしている過渡期にあるのかもしれません。
これからの家づくりで大切なこと
メディアの情報を「知っておくこと」は重要ですが、それに振り回されて選択肢を狭めてしまうのはもったいないことです。報道で指摘された企業体質のリスクと、目の前にある商品の魅力を天秤にかけ、最終的には「自分たちが信頼できる担当者かどうか」「自分たちの理想の暮らしが叶うか」という現場の事実で判断することをおすすめします。
もし、報道内容が気になって不安が残るようであれば、住宅展示場に行った際に、営業担当者に率直に質問してみるのも一つの手です。「過去の事件について、御社ではどのような再発防止策をとっているのですか?」と聞いてみてください。そこで誤魔化さず、誠実に説明してくれる担当者であれば、あなたの家づくりを任せるに足るパートナーだと言えるでしょう。
積水ハウスは、良い面も悪い面も含めて、注目され続けるリーディングカンパニーです。現代ビジネスの記事を「賢い消費者になるための予備知識」として活用し、ぜひご自身の目で、耳で、その真価を確かめてみてください。あなたの家づくりが、後悔のない素晴らしいものになることを心から願っています。