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積水ハウスの床下換気口の仕組みとカビを防ぐメンテナンス術

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せっかくのマイホーム、長く大切に住み続けたいと思うのは当然ですよね。特に木造住宅において、目立たないけれど家の寿命を左右するのが床下の環境です。積水ハウスの床下換気口の仕組みがどうなっているのか、あるいは基礎パッキンやスリットから入る風で本当に湿気対策ができているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。家づくりを検討中の方や実際に住み始めている方の中には、床下換気口の有効換気面積や設置基準が法的にどう決まっているのか、あるいは将来的に床下換気扇の後付け費用がどのくらいかかるのか不安に感じることもあるかもしれません。この記事では、積水ハウス特有の構造に触れつつ、床下の結露やカビ、臭いといったトラブルを未然に防ぐための知識を整理しました。点検口の増設や日々のメンテナンスなど、オーナー目線で知っておきたいポイントを分かりやすくお伝えします。

  • 積水ハウス独自の床下換気構造と一般的な基礎パッキンの違い
  • 床下換気口の設置基準や有効換気面積に関する法的な目安
  • 結露やカビなどのトラブルを防ぐための具体的な対策方法
  • 将来必要になるかもしれない床下換気扇やリフォームの相場感

積水ハウスの床下換気口はなぜスリット状の仕組みなのか

積水ハウスの木造住宅(シャーウッドなど)を見渡すと、昔ながらの四角い大きな穴が基礎に開いている光景はあまり見かけません。これには独自の工法と、現代の換気性能に対する考え方が深く関係しています。まずはその構造の秘密から紐解いていきましょう。

基礎ダイレクトジョイントによる床下換気の構造

在来工法の基礎にある大きな開口部と、積水ハウスの基礎ダイレクトジョイントによる全周スリット構造を比較したイラスト。

積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」などで採用されている、柱と基礎を金具で直接つなぐ「基礎ダイレクトジョイント」。この工法は、一般的な木造建築の常識を覆すような仕組みなんです。通常の家づくりでは、コンクリート基礎の上に「土台」という木材を一周敷き詰めますが、ダイレクトジョイントではその土台を介さず、柱がダイレクトに基礎と連結されます。

この構造上の違いが、そのまま床下換気の見た目にも現れています。昔の家のように、基礎のコンクリートをわざわざ四角く切り抜いて「換気口」を作る必要がなくなったんですね。その代わりに、基礎の最上部、つまり壁との境界線あたりに、ぐるっと一周続くわずかな「隙間(スリット)」を設けることで、外気を取り込む設計になっています。これが、積水ハウスの家を見て「あれ、床下換気口がない?」と不思議に思う正体なんです。

なぜ「穴」ではなく「スリット」なのか

大きな四角い穴を開けてしまうと、どうしても基礎コンクリートの強度が部分的に下がってしまいます。しかし、全周にわたる細いスリットであれば、構造的な強度を高く保ったまま、十分な空気の通り道を確保できるわけです。また、見た目も非常にスマートで、外構デザインを邪魔しないというメリットもありますね。一見すると閉ざされているように見えても、実は家全体で深呼吸しているような、非常に合理的な仕組みだと言えます。

ただし、このスリットは非常に細かいため、近くで見ないと換気されている実感が湧きにくいかもしれません。でも安心してください。この構造は、後述する「全周換気」の考え方を極限まで高めた形であり、積水ハウスが長年の研究でたどり着いた一つの完成形なんだろうなと感じます。

基礎パッキンやねこ土台と全周換気のメリット

最近の新築住宅では「基礎パッキン(通称:ねこ土台)」を用いた全周換気が一般的になっていますが、積水ハウスの換気システムもこの考え方に近いものです。昔ながらの点在する「床下換気口」方式だと、どうしても角の部分や空気の通り道から外れた場所に「空気のよどみ」ができてしまいました。そのよどんだ場所に湿気が溜まり、シロアリやカビが発生するのが木造住宅の弱点だったんです。

全周換気の最大のメリットは、どこか一箇所から風を入れるのではなく、家の外周すべてから均一に空気を入れ替えられることです。これにより、床下全体の湿度が一定に保たれやすく、特定の木材だけが腐食するといったトラブルを劇的に減らすことができます。積水ハウスにおいても、この「ムラのない換気」を徹底するために、外壁下部の隙間を計算し尽くして配置しているんですね。

全周換気がもたらす安心感

基礎の全周から均一に換気する様子を示す図解。均一性、耐震性、防御力の3つのメリットが解説されている。

また、全周スリット方式は、雨水の侵入リスクを下げられるという隠れた利点もあります。昔の大きな換気口だと、横殴りの雨の日に水が入り込むことがありましたが、細いスリットであれば表面張力や構造上の跳ね返しによって、内部への浸水を最小限に抑えられます。さらに、大きな穴がないことで、ネズミなどの小動物が入り込む物理的なスペースも限定されるため、衛生面でも非常に優れていると言えるでしょう。

私自身、いろいろな物件を見てきましたが、全周換気がしっかり機能している家の床下は、数年経ってもカラッとしていて、木の香りが残っていることが多いです。逆に換気が不十分な場所は、独特の土臭さや湿り気を感じることがあるので、この「均一に風を通す」という仕組みは本当に理にかなっているなと思います。

全周換気のここがすごい!

・空気のよどみをなくし、カビやシロアリを寄せ付けない

・基礎の強度を損なわず、地震に強い家づくりに貢献する

・雨水や小動物の侵入を防ぎ、清潔な環境をキープできる

床断熱と基礎断熱で見直すべき換気計画の考え方

床断熱(Type A)と基礎断熱(Type B)の構造の違いと、それぞれのメンテナンス方針の違いをまとめたスライド。

さて、ここで少し専門的なお話になりますが、家を建てる際に「床断熱」にするか「基礎断熱」にするかで、床下換気口の扱いは180度変わります。ここを理解していないと、後から「思っていたのと違う!」という後悔につながりかねません。

まず、積水ハウスを含め多くの一般住宅で採用されている「床断熱」の場合、床のすぐ下に断熱材を敷き詰めます。この場合、床下空間はあくまで「外」という扱いです。そのため、外気をどんどん取り込んで湿気を逃がす必要があり、床下換気口やスリットがフル稼働することになります。一方で、最近増えている「基礎断熱」は、基礎の壁自体に断熱材を貼り、床下を「室内の一部」として扱う工法です。

基礎断熱を選ぶ場合の注意点

基礎断熱を採用した場合、外気を直接取り込んでしまうと夏は暑く冬は冷たい空気がそのまま家の中に入ってしまうため、原則として外周の換気口は設けません(あるいは最小限に留めます)。その代わり、室内の空気を床下へ循環させるためのガラリ(空気の通り道)を床に設けたり、専用の換気設備を使ったりします。つまり、「床下換気口が見当たらない」ことが、実は高性能な断熱設計の証である場合もあるのです。

自分の家がどちらのタイプなのか、設計段階でしっかり確認しておくことが大切です。「換気口は多いほうがいい」と思い込んで基礎断熱の家を疑ってしまったり、逆に床断熱なのに換気スリットが塞がっているのを見逃してしまったりするのは避けたいですよね。公式サイトや担当者さんに「うちの換気ルートはどうなっていますか?」と聞いてみるのが一番確実です。設計の意図を知ることで、メンテナンスの際に見るべきポイントも明確になりますよ。

建築基準法施行令が定める有効換気面積と設置基準

私たちが安心して暮らせる背景には、法律による厳しいルールがあります。床下換気についても「建築基準法施行令」という法律で、最低限守るべき基準が定められているんです。具体的には、外壁の床下部分に、壁の長さ5メートル以下ごとに面積300平方センチメートル以上の換気孔を設けることが義務付けられています(出典:e-Gov法令検索『建築基準法施行令』第22条)。

(出典:デジタル庁 e-Gov法令検索『建築基準法施行令』

ただし、積水ハウスのような現代的な全周換気の場合は、この「5メートルごとに300平方センチメートル」という数字を、1メートルあたりの「有効換気面積」に置き換えて計算します。一般的には、全周にわたって1メートルあたり75平方センチメートル以上の隙間があれば、法律で定められた換気性能を十分に満たしているとみなされます。むしろ、一箇所に大きな穴を開けるよりも、トータルの面積を分散させて全周に配置するほうが、換気効率ははるかに高いとされています。

基準を知ることで見える「安心の根拠」

建築基準法が定める300平方センチメートルの基準と、積水ハウスの1メートルあたり75平方センチメートルの全周換気面積を比較した表。

もし、自分の家のスリットが「こんなに細くて大丈夫かな?」と不安になったら、この数値を思い出してください。大手メーカーである積水ハウスは、当然ながらこの基準を余裕を持ってクリアする設計をしています。ただ、重要なのは「数字を満たしているか」だけでなく、「実際に風が通っているか」です。法的な基準はあくまで最低ラインであり、立地条件(湿気が多い、風通しが悪いなど)によっては、その基準以上の対策が必要になることもあります。まずはこの法的な目安を知識として持っておき、自分たちの家がどう守られているのかを確認する物差しにしてみてください。

項目 従来型の床下換気口 全周換気スリット(積水等)
法的な設置基準 5m以内に300cm²以上 1mあたり75cm²以上
換気の均一性 ムラができやすい 全体的にムラなく換気
基礎の強度 開口部で強度が下がる 強度が維持されやすい
防虫・防鼠性 大きな網が必要 隙間が狭く侵入しにくい

防鼠スクリーンや防虫網のメンテナンスと詰まり対策

積水ハウスのスタイリッシュな外観を支える基礎スリットですが、その内部には家を物理的な被害から守るための「防鼠(ぼうそ)スクリーン」や、細かな不快害虫の侵入を抑制する網が隙間なく組み込まれています。これらは、住宅の耐久性能を維持するための「最前線の防壁」と言っても過言ではありません。しかし、非常に重要な役割を担っている一方で、実は引き渡し後のオーナー様が最も放置してしまいがちなメンテナンスポイントでもあるんです。

この防鼠スクリーンは、ネズミの頭が通らない絶妙なピッチで設計されており、非常に精密です。それゆえに、長年住み続けていると、空気の流れに乗ってやってくる綿埃やクモの巣、砂埃などが網目に絡まり「目詰まり」を引き起こすことが多々あります。特に、お庭にシンボルツリーなどの植栽を植えているお宅や、近くに公園や畑がある地域、あるいは交通量が多く排気ガスを含んだ埃が舞いやすい環境では、驚くほど短期間でメッシュが塞がってしまうケースも見受けられます。

目詰まりが引き起こす「見えないリスク」の連鎖

もし、このスリットが埃や落ち葉で塞がってしまったらどうなるでしょうか。結論から言えば、積水ハウスが緻密に計算した「全周換気システム」が機能不全に陥ります。空気の入り口と出口が遮断されることで、床下空間は一気に「巨大な密室」へと変わってしまいます。そうなれば、地盤から上がってくるわずかな水蒸気すら逃がすことができず、床下の湿度は急上昇。結果としてカビが爆発的に繁殖し、最悪の場合は木材を腐らせる腐朽菌や、湿った場所を好むシロアリを呼び寄せる最大の原因になりかねません。

ですから、大掃除のついでや、週末のガーデニングの合間に、しゃがみ込んで基礎のスリットをぐるっと一周チェックする習慣をぜひ持ってください。たった数分の目視確認が、将来の数百万単位のリフォーム費用を防ぐことにつながるのです。

【オーナーの気づき】

「最近、家の中がなんとなくカビ臭いかも?」と感じたら、まずは鼻を疑う前に基礎のスリットを確認してみてください。目詰まりが原因で、床下のよどんだ空気が室内に微量に漏れ出しているサインかもしれません。

プロに教わる「失敗しない清掃」のコツと手順

「メンテナンス」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、スリットのお手入れ自体は、専門知識がなくても簡単に行えるものです。以下の手順で、半年に一度程度を目安に実施してみるのがおすすめです。

① 表面のゴミを優しく「掃き出す」

基本的には、外側から柔らかいブラシ(使い古した歯ブラシや、100円ショップで売っているサッシブラシなど)を使って、網目に詰まった埃や落ち葉を優しく掃き出すだけでOKです。この時、奥に押し込まないように「手前にかき出す」のがコツです。ワイヤーブラシなどの硬すぎる素材を使うと、スクリーンの塗装が剥げたり、網自体を傷めて防鼠性能を下げてしまう恐れがあるため、必ずプラスチック製の柔らかい毛のものを選んでください。

② クモの巣は掃除機で「吸い取る」

クモの巣に埃が絡みついている場合は、ブラシでこすると余計に網目にこびりついてしまうことがあります。そんな時は、家庭用の掃除機の隙間ノズルを使って、一気に吸い取ってしまうのが最も効率的です。コードレス掃除機があれば、外周を回るのも苦になりませんね。

③ スクリーンの「歪み」や「外れ」を確認する

清掃と同時に必ず行ってほしいのが、スクリーンが枠から外れていたり、変形して隙間ができていないかの確認です。ネズミは1.5cm程度の隙間があれば頭を突っ込んで無理やり侵入してきます。もし、飛来物があたって凹んでいたり、経年劣化で固定が甘くなっている箇所を見つけた場合は、自分ですぐに補修しようとせず、積水ハウスのカスタマーセンターへ連絡して純正パーツでの修理を依頼しましょう。中途半端な隙間を残すことが一番のNGです。

注意:高圧洗浄機の使用は控えめに外壁掃除のついでに高圧洗浄機を換気スリットに向けるのは避けてください。強い水圧で床下内部に大量の水を送り込んでしまい、それが乾かずにカビの原因になったり、断熱材を濡らしてしまったりする恐れがあります。

床下の換気スリットは、いわば家の「呼吸器」です。ここが清潔で健やかに保たれている限り、積水ハウスの家は本来の耐久性をフルに発揮し続けてくれます。小さな隙間を守ることは、家族の健康と資産を守ること。ぜひ今日から、基礎のキワにある「小さな防壁」に愛着を持って接してあげてください。

次は、もし床下の湿気が改善しない場合に検討すべき、機械による対策について詳しく見ていきましょう。

床下換気扇の後付け費用とリフォームの相場感

床下に設置された換気扇が強制的に空気を排出する仕組みのイラスト。設置費用の目安が10万〜30万円と記載されている。

「床下の湿気がどうしても抜けない」「カビの臭いが気になる」という場合、最終的な手段として検討するのが床下換気扇の後付けです。積水ハウスのオーナーさんでも、立地や周辺環境(元々湿地だった、近くに山がある等)によっては、機械の力を借りる必要が出てくることがあります。

リフォーム費用の相場としては、一般的な一戸建て(30坪程度)で換気扇を2〜4台設置する場合、10万円から30万円程度を見ておけば良いでしょう。この費用には、機器代のほかに電気工事費や設置作業代が含まれます。また、ソーラーパネルで動くタイプや、湿度が上がった時だけ自動で回るセンサー付きのタイプなど、種類によって価格は前後します。安すぎる業者は、後から高額なオプションを請求してきたり、いい加減な工事をしたりすることもあるので、最低でも2〜3社から見積もりを取ることが大切です。

安易な設置はNG!まずは原因調査から

ただし、一つお伝えしておきたいのは「換気扇をつければすべて解決」というわけではないということです。そもそも、なぜ換気がうまくいっていないのか。スリットが詰まっているだけかもしれませんし、床下の断熱材が垂れ下がって風を遮っているのかもしれません。機械に頼る前に、まずは現状の換気ルートに問題がないか、積水ハウスのカスタマーセンターや信頼できる床下専門業者に診断を依頼することをおすすめします。機械を入れれば当然、将来的な故障や交換費用、日々の電気代も発生します。納得感を持って進めるためにも、「本当に必要か?」というプロセスを大事にしてくださいね。

【重要】床下リフォーム詐欺に注意!

「床下がカビだらけですぐに対策しないと家が腐る」と言って、高額な換気扇や調湿材を売りつける悪質な業者も存在します。不安を煽られたらその場で契約せず、必ずハウスメーカーや第三者の専門家に相談しましょう。

積水ハウスで床下換気口のトラブルやカビを防ぐ対策

どれほど立派な家でも、自然環境の影響からは逃れられません。積水ハウスで快適な床下環境を保つために、私たちが直面するかもしれないトラブルとその具体的な対策について詳しく解説していきます。

夏の結露やカビ臭い湿気トラブルを回避する予防策

高温多湿な外気が冷たい基礎コンクリートに触れ、床下で結露が発生する様子を描いたイラスト。

「床下の結露は冬のもの」と思われがちですが、実は夏こそ注意が必要なんです。これを「夏型結露」と呼びます。梅雨から夏にかけて、外の空気は非常に多くの水分を含んでいます。この蒸し暑い空気が床下に入り込み、家の中で一番ひんやりしている基礎のコンクリートや配管に触れると、コップに水滴がつくのと同じ原理で結露が発生します。これが続くと、床下が常にジメジメし、嫌なカビ臭さの原因になってしまうんです。

対策としては、まず「床下に水分を持ち込まない」ことが基本ですが、外気を取り入れる床断熱構造では限界があります。そこで有効なのが、床下用の調湿材を敷くことや、空気を動かすことです。調湿材(シリカゲルやゼオライト、炭など)は、湿度が高い時に水分を吸い、乾燥している時に放出してくれます。また、家全体に風が通るように、家の中の窓を対角線上に開けて換気するのも、巡り巡って床下の湿気を逃がす助けになります。もし、夏場に特定の部屋の床から「土のような臭い」がしてきたら、それは床下からのSOSかもしれません。早めに点検口を開けて、カビが発生していないか覗いてみてください。

日常でできるカビ予防

また、エアコンを一日中つけっぱなしにしているお宅も注意が必要です。床下と室内の温度差が大きくなるほど結露は起きやすくなります。過度な冷やしすぎを避け、サーキュレーター等で室内の空気を循環させることも、結露対策の一助になります。地味なことの積み重ねですが、こうした「住み方の工夫」が、家の寿命を延ばすことにつながるんですよね。

内部立ち上がりの区画による換気ムラと点検口の増設

外から見ればしっかり換気されているように見えても、床下の中は迷路のようになっています。基礎の「立ち上がり」部分が間取りに合わせて配置されているため、どうしても空気が流れにくい場所が生まれてしまうんです。特に、キッチンや浴室といった水回りの下は、配管が入り乱れている上に基礎で囲まれていることが多く、いわゆる「空気の袋小路」になりやすい場所です。

こうした場所に湿気が溜まるのを防ぐには、建築時にあらかじめ内部の基礎にも「人通孔(じんつうこう)」や「換気孔」が適切に配置されていることが重要ですが、それでも不足を感じる場合があります。そんな時に検討したいのが、「点検口の増設」です。点検口があれば、そこから直接床下の状態を確認できるだけでなく、蓋を一時的に開放したり(※安全に配慮した上で)、そこから小型の送風機で風を送ったりすることも可能になります。

点検のしやすさが家を守る

点検口が一つしかないお家は、一番遠い場所の状態を確認するのが非常に困難です。私としては、将来のメンテナンス性を考えて、各ブロックごとにアクセスできる点検口があるのが理想的だなと思います。リフォームで増設することも可能ですし、費用も数万円からと比較的リーズナブルです。いざという時に「どこがカビているか分からない」という事態を避けるためにも、死角をなくす工夫を考えてみてください。

落ち葉の詰まりや網の破損による虫の侵入リスク

積水ハウスのスマートな換気スリットも、外構(庭)の作り方一つでピンチに陥ることがあります。よくあるのが、家を建てた後に自分でDIYをして、砂利や土を盛りすぎてしまい、換気スリットを半分くらい埋めてしまうパターンです。これをやってしまうと、換気効率が落ちるだけでなく、地面を這う虫(シロアリやムカデ、ゲジゲジなど)にとって、格好の侵入経路になってしまいます。

特にシロアリは、光を嫌い、湿った場所を好みます。換気スリットが土に近いと、そこから蟻道(ぎどう)というトンネルを作って、いとも簡単に家の中に侵入してきます。積水ハウスの鉄骨造なら安心、と思っている方もいるかもしれませんが、床下には木製の束(つか)や、断熱材、さらには家具の木材など、彼らのエサはたくさんあります。また、網が劣化して破れていると、そこからゴキブリやクモも入り放題になります。年に一度は、外壁を這うようにして「スリットと地面の間に十分な距離があるか」「網に穴が開いていないか」を確認してください。

虫を寄せ付けない外周チェックリスト

・換気スリットが砂利や土で埋まっていないか?

・スリットの網に破れや緩みはないか?

・換気口の近くに薪や古い木材、段ボールを放置していないか?

地盤が高すぎてスリットが埋まった「悪い庭づくり」と、適切に風が通る「良い庭づくり」を比較した断面図。

冬の床の冷えや隙間風を軽減する断熱仕様の選び方

「夏はいいけれど、冬は床下からの冷気がすごくて…」という悩み。これは、床下換気がしっかり機能している裏返しの悩みでもあります。床下の空気が常に入れ替わっているということは、冬場は氷点下に近い空気が床のすぐ下を流れているということです。もし、床の断熱材が薄かったり、施工が甘かったりすると、その冷たさがダイレクトに足元へ伝わり、底冷えの原因になります。

これを防ぐためには、新築時であれば断熱材のグレードアップ(厚みを増す、高性能な素材に変える等)を検討するのが一番ですが、住んでからできる対策もあります。一つは「気流止め」の確認です。壁と床の隙間から冷たい空気がスースーと入ってくる場合、そこを専用の部材や発泡ウレタンなどで塞ぐだけで、体感温度は劇的に変わります。また、床下側に潜り込んで、断熱材が重力で垂れ下がっていないかを確認するのも有効です。断熱材と床板の間に隙間ができると、その性能は半減してしまいますからね。

足元の冷えは「住まいのバランス」

もし構造的な対策が難しい場合は、無理に換気口を塞ぐのではなく(これをやると湿気がこもってしまいます)、床暖房を後付けしたり、高機能なラグを敷いたりするなど、室内側での工夫を優先しましょう。「換気」と「断熱」は、いわば天秤のような関係です。どちらかを優先しすぎると、もう一方が疎かになりがちです。自分の家にとってのベストなバランスを、プロのアドバイスを受けながら探っていくのが良いかもしれません。

湿気が強い立地での機械補助や基礎断熱化の検討

家を建てる場所というのは、自分たちではどうしようもない「宿命」のようなものがあります。例えば、昔から水害が多い地域だったり、すぐ裏に斜面があって常に水が滲み出していたりするような立地です。こうした場所では、積水ハウスが誇る標準の換気システムをもってしても、自然の湿気に負けてしまうことがあります。

そのような過酷な環境下で家を守り抜くには、一般的な対策を超えた「特別メニュー」が必要になります。一つは、先ほども触れた床下換気扇を「常時稼働」させること。もう一つは、より抜本的な「基礎断熱化」へのリフォームです。床下の換気口をすべて塞ぎ、基礎を断熱材で包み込んだ上で、床下の空気を室内の24時間換気システムに組み込んでしまう方法です。これにより、床下は常に室内と同じ温度・湿度に保たれ、結露やカビのリスクは最小限になります。

大きな決断の前には必ず「現地調査」を

ただし、こうしたリフォームは非常に高額になりますし、施工ミスがあると逆効果になるリスクも孕んでいます。まずは、現在の床下の湿度が実際にどれくらいなのか、数日間にわたって計測してみることから始めましょう。今はスマホでデータを確認できる安価な温湿度計もあります。客観的なデータを持って「やっぱり湿気が多すぎる」と確信してから、大きな対策に踏み切るのが失敗しないコツです。公式サイトの相談窓口などを通じて、専門の技術者に現地を見てもらい、その土地ならではの解決策を提案してもらいましょう。

積水ハウスの床下換気口に関する設計と後悔しないまとめ

構造の理解、定期的な掃除、周辺環境の維持、適切な対処の4つのポイントをまとめたアイコン付きのスライド。

ここまで、積水ハウスの床下換気口の仕組みから、メンテナンス、トラブル対策まで幅広く見てきました。最後に、私たちが後悔しないために心に留めておくべきことをまとめます。積水ハウスの家は、基礎ダイレクトジョイントや全周スリット換気といった、非常に高度な設計思想に基づいて作られています。その性能を信じることは大切ですが、「機械や構造にお任せ」で放置してしまうのは禁物です。

家は、建てた瞬間が完成ではありません。住む人が日々、家の状態に目配りし、手入れをしていくことで、初めてその真価を発揮し続けます。床下という見えない場所だからこそ、半年に一度の外周チェックや、数年に一度の点検口からの確認が、30年後、50年後の家の価値を大きく左右します。もし少しでも「おかしいな」と思ったら、迷わずプロを頼ってください。積水ハウスには手厚いサポート体制があります。自分で抱え込まず、公式の情報を確認したり、カスタマーセンターに相談したりしながら、大切なマイホームを最適な状態で維持していきましょう。この記事が、皆さんの健やかで安心な暮らしの一助になれば幸いです。

最後にアドバイス

床下の健康状態は、なかなか自分一人では判断が難しいものです。まずは「いつもと違う臭い」や「足元の違和感」に敏感になることから始めてみてください。そして、正確なメンテナンス情報や技術的な詳細は、必ず積水ハウスの公式サイトや専門の担当者に確認することをお忘れな

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